2011年 03月 06日
my closer





歩いてくる
あなたが歩いてくる
仄暗い真夏の路地裏
ハーゲンダッツの甘い呪い
秋に踵を返し
日だまりの中
気休めに足を開いたり閉じたりした
冬の朝
高層ビル群
壁ガラスの中
ピンクの象が横切るたび
賭けに勝ったり負けたりした
いつまでも歯だけが痛んだ

それぞれの旅は
鮮やかにだらだらと弧を描き
海を裂き 
河を跨ぎ
放射五号線下のフェンスで地続きになった

あなたが歩いてくる

飽食の太陽のもと
背中を丸めて
ミモザをくぐり
私に向かって歩いてくる


『My Blueberry Nights』2007/香港・アメリカ・中国・フランス製作
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# by mitacoffee | 2011-03-06 00:31 | 映画
2011年 02月 25日
A naked secret

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           雨に濡れて秘密が匂う
            ライトに滲み 轍の中へ
            マンホールに沈み マントルに溶け
            浅い眠りの襞で再び開花する

                   夢主達は
                毎朝その新しくも古びた秘密を纏い
                いつでも脱ぎ捨てられるよう準備する
                 
           じわじわと見透かされるのか
            ざっくり暴かれるのか

              秘密は秘密で
              話し続ける私たちを遠巻きにして
              裏窓の隙間をすり抜け
            琥珀の闇にたちまち拡散してゆく




『裏窓』1954/アメリカ


Tami
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# by mitacoffee | 2011-02-25 02:00 | 映画
2011年 02月 15日
From under the table
d0132408_13538.jpgもはや
隠し場所なんてない
リミッターもいかれてしまった
丑三つ時
海底に沈んだようなファミレス
白状するわ
もう春なのに外は肌寒く
おまけに雨まで

声がくぐもってるみたい
唇もうまく開かない
ちゃんと聞こえてるかしら
なんだかテーブルも広すぎるし
ソファーも柔らかすぎて
身体が沈み込んでしまう


内緒にしていたけど
実はとても遠くまで来てしまってるの
しばらくは戻らないと思う
戻れないと思う

d0132408_139152.jpgテーブルの下から
紙ナプキンを手渡すから
受け取ってくれる?
そこに手紙を書いたわ

あたしの居場所が分かったら

今からあたしが何をしても
何を言っても
席を立たないでほしいの

必ずあなたのところに戻るから

鳶色の螺旋階段をのぼって
揺れる回廊を抜けて
夥しくまとわりつく手を振り払って
きっとあなたに辿り着くから



『こわれゆく女』1975/アメリカ

 
Tami
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# by mitacoffee | 2011-02-15 01:34 | 映画
2011年 02月 08日
Felicidade
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      ほんとうは
      踊り続けなきゃならなかった
      どんなに孤独な艱難辛苦の中にあっても
      ひとつとして
      それが間違いではなかったと
      知るためにも
      踊り続けなきゃならなかった
      髪の先からつま先まで
      凛として不惑を拒み
      リズムが心臓を凌駕するまで
      狂気が全身に馴染むまで
      忘我の川を泳ぎ
      原色のフラッシュバックを歩き
      二度目の君に出会うまで


      そしてきっとそれ以上に
      聴き続けなければならないのは
      カーニバルが終わった後の
      静寂
      囁くような歌
      
      とても長い一瞬を僕らは何度も迎える


   『黒いオルフェ』1959/フランス・ブラジル合作


 Tami
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# by mitacoffee | 2011-02-08 00:23 | 映画
2011年 02月 02日
door to door
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〜君の自由がどこにあるのか 
 僕に話して
 
 この街は終わりなき場所
 
 なぜなのかは聞かないでくれ
 理由なんていいじゃないか
 君はただ泣きたくて 
 僕はただ飛びたいんだ

 水晶の舟は満たされていく 
 千の女の子と千のスリルで
 
 100万通りのやり方があるんだ

 戻ってきたら手紙を書くよ 〜


 飛んでいるのか落ちているのか分からない。
 泳いでいるのかもがいているのか分からない。 
 誰かに肩をたたかれて、名前を呼ばれるまで、
 私は私を離れてた。
 橋のふちを軽やかに歩いてた。
 目の前の無数の小さな炎を見ていた。
 
 道すがら出会った男。
 どことなくジムモリソンに似ていた。
 詩は書かなかったし、歌も歌わなかった。
 スターでもシャーマンでもなかったけど
 薔薇の片言を無尽蔵に持っていた。
 足の指のあいだに水かきがついていた。
 
 今がいつでも、ここがどこでもかまわない。
 瞬く間にさらってくれてかまわない。

 

『WHEN YOU'RE STRANGE(ドアーズ/まぼろしの世界)』2009/アメリカ
 

 Tami
 
 
 
 
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# by mitacoffee | 2011-02-02 00:08 | 映画